私は現在34歳です。31歳の時に3人目の子を出産したときの嫌だった体験談です。
3人目とはいうものの妊娠初期から悪阻がひどく家事や育児で休む時間もなく、とても大変でした。私が3人目の出産に選んだ病院は地元の大きな病院です。2人目の子が低体重児だったということもあり万が一に備え、ある程度設備が整っている病院を選びました。しかしこの病院は妊婦さんが好きなスタイルで産める病院ではありませんでした。分娩代で仰向けになって出産するという極々普通にある出産スタイルのみです。立ち会い出産やカンガルーケアなどは希望することが出来るのでお願いしました。
しかしこの病院に少し不信感を持ったのが妊婦検診の時から必ずいつも数名いた看護学生さんでした。病院の側に看護学校があるので仕方ないことなのかもしれませんが、いつも検診に行くと看護師さんに「名前呼ばれるまで学生さんに出産の話をしてあげてくれませんか?」とお願いされるのです。なかなか断る勇気もなく、待合室で「1人目の時は…。2人目の時は…。」と話すしかないんです。
数十分すると私の診察の順番が来て診察室に入るのですが、看護師さんが「あなたも入って…」と学生さんも一緒に診察室に入ります。お腹の上からのエコーならまだしも、下からの内診の時はカーテンの向こうから先生や看護師が学生さんに説明している声が聞こえ、影が見えるのです。お腹の赤ちゃんのことを色々聞きたいと思っても、学生さんばかりに説明をしていて聞きたいことも聞きづらく思ってしまいました。学生さんを育てていくことも病院としては大事なことなのだと我慢するしかありませんでした。
そんな中、いよいよ出産の兆候がやってきました。朝7時頃から陣痛が始まり、とりあえず上の子供たちを幼稚園に送り届けるまではと痛みに耐え、無事送り出すことが出来ました。午前9時、陣痛の間隔も短くなっていて急いで病院に電話をし主人と向かいました。病院に付くとすでに子宮口が8センチ開いていて、そのまま分娩室に入ることになりました。だんだん痛みも強くなり、痛み逃しに必死でした。すると「失礼します」という複数の声が聞こえ、声のする方を見ると、またも学生さんが入ってきたのです。しかも今回は1人ではなく7名の学生さんがいて、そのうちの2人は若い男子学生さんでした。助産師さんに「学生さんの勉強のためにごめんなさいね」と軽く言われました。主人と目が合い、お互い「まじ?」という感じでした。しかし嫌と言える余裕などなく、ただただ痛みとの戦いでした。
助産師さんから「頭が出てきたからもう少し頑張ってね」と言われると一斉に学生さんが動きだし分娩台の周りに集まって覗き込まれているような視線を感じながら3人目となる我が子を出産しました。出産中、学生さんの「えっ?」と驚くような顔が今でも頭から離れません。しかし、通常よりも多くの方に「おめでとうございます。可愛いですね」と言われ、いつの間にか私たち夫婦は笑顔で「ありがとうございます」と返していました。
学生さんの見守る中の出産はやはりデリケートな部分が見られてしまうので嫌でした。特に若い男性学生さんには見られたくないに決まっています。いくら勉強のためとはいえ、この病院での出産は失敗だったと思ってしまいます。
あとから知ったのですが夫の立ち会い出産などの希望用紙といっしょに学生さんが出産に立ち会うことに承諾しますか?などの用紙もあるようです。私は確認不足で丸を付けた覚えがありませんが多分丸を付けてしまったんだと思います。なので、これから妊娠出産を迎えられる方で学生さんの入室が嫌な方はしっかりと書類に目を通し、看護師に聞くことが大事だと思います。どうぞ、素敵な出産で元気な赤ちゃんを生んでくださいね。