妊娠が発覚した当時、私は31歳になったばかりでした。待望の妊娠だったので、出産方法や出産する病院については妊娠前からある程度調べていました。痛みに弱いことを自覚していましたし、出産時は31歳。決して若くないことから夫に相談し、無痛分娩を選択することにしました。
初めての妊娠ということもあり、里帰り出産をすることに決めました。自宅近くのクリニックに30週あたりまで通い、以降は出産する病院での検診になりました。出産する病院が実家から近いかと言うとそうでもなく、電車やバスを乗り継いで30分程度かかる場所でした。初産で無痛分娩を扱っている病院が少なく、また実績やNICU完備となると、実家近くではそこしか選択肢がありませんでした。私のように、譲れない条件があるならば仕方ありませんが、病院が遠いというのはあまりお勧めできません。道中何があるかわかりませんし、何かあった時にすぐに行ける場所ではないからです。私は幸い出産まで特に何もなく、また計画出産だったため、病院に駆け込むという事態にはなりませんでした。ですが大きなお腹を抱えての検診通いは結構大変でした。
いざ出産。前日入院をし、無痛分娩のための麻酔を打ちました。これは特に痛くなかったです。子宮口の開きが悪かったため、ラミナリアを挿入されました。これは痛かったです。少し叫びました。このラミナリアのせいで、ずっと下腹部に生理痛のような鈍痛があり、まったく夜眠れず、そのまま出産当日になってしまいました。ラミナリアを抜くのはもっと痛く、次に出産するときに無痛分娩に対して躊躇するとしたらこれが原因です。
麻酔があったので全く痛くなく、本当に無痛の状態で陣痛は進みました。ですが、赤ちゃんの頭の位置が悪いとのことで、吸引分娩となりました。そういえば私自身も吸引で生まれたそうです。歴史は繰り返すんだなぁとのんきに考えていました。吸引の時にいきみと合わせて上からお腹を押されるのですが、この呼吸が先生と合わず、苦労しました。
そのような感じで赤ちゃんは生まれ、分娩室の外で母や夫に抱かれたり写真を撮ったりわいわいしているとき、お尻に違和感を感じました。最初は猛烈な便意。担当医は、胎盤を出したり、会陰を縫合したり忙しそう。でも、おかしく感じたので違和感を伝えました。(この時点ではまだ麻酔が効いているため、処置は痛くありませんでした。)
「よくあることですよ~」
そう・・なのか?初めてのお産なので、それ以上は特に聞きませんでした。
麻酔が完全に切れるまで、分娩台で2時間安静にしている必要があるので、仰向けで待機していました。麻酔はどんどん切れていき、次第におしりの違和感が激痛へと変わっていきました。とてもじゃないけど2時間も安静にできない。1分が長すぎる。分娩室には私一人で残されていたので、何度がナースコールをし、助産師さんに痛みを訴えました。
助産師「無痛分娩をした人はね、産後の痛みに弱いのよ。これは、必要な痛みなのよ。」
私「後陣痛とは違うと思います。会陰の部分でもないです。おしりの右側が激痛なんです。」
あまりの痛さに脂汗も出てきました。何度訴えても、その2時間で何か対処してくれることもなく病室へ戻ることになりました。おしりが痛すぎて車いすにも座れず、自力でゆっくり歩いて病室へ戻りました。そこから何時間も痛みに耐えていたところ、別の助産師さんが産褥パッドを取り換えてくれる際、おしりの違和感に気付いてくれました。
助産師「腫れ方がおかしい。片側だけすごい腫れている。先生に診てもらいましょう。」
更に1時間後、外来を終えた院長先生に診てもらいました。結果、血腫ができていました。何時間も放置したことで血が溜まり、腫れあがっていたのでそこから緊急手術。ただでさえ朦朧とする意識の中、全身麻酔を注射されました。手術が終わった翌日、まだおしりが痛かったので見てもらったところ、また別の血腫ができていました。連日の切開手術はやめた方が良いとのことで、1か月くらいかかるけど、自然と血腫がおしりに吸収されていくのを待つことになりました。そこから産後1ヶ月間、おしりの激痛と戦いながら過ごしました。里帰り出産で本当に助かったと思います。
私の訴えを「無痛分娩だったから」の一言で片づけ、ろくに検査してくれなっかった助産師さんには、今でも会いたくありません。
あれから2年経ち、私は33歳になりました。二人目をそろそろ、と考えていますが、無痛分娩をするにしてもおそらく同じ病院は選ばないと思います。また血腫になったら・・とかラミナリアがなぁ・・という思いはなくはないですが、おそらくまた無痛分娩を選ぶと思います。それほどに、出産自体は楽だったためです。
これから出産される方、正直検診受けたり産んだりするまで分からないことばかりだと思います。費用や設備など、ホームページでわかる以外のことは、経験してみるまで良し悪しがよくわかりません。特に体に起きる様々なことは、自分にしかわかりませんし、伝えられません。
おかしいな、と思ったことは遠慮せずに聞いたり訴えたりすることが大切です。一人に言ってだめなら別の人へ。出産してからがスタートです。私のように最悪な子育てスタートにならないよう、疑問に感じたことは調べたり、聞いたりして幸せな子育てライフに突入してください!