頸管を柔らかくする薬を注射された日に陣痛が…陣痛促進剤も投与され安産だったが納得がいかなかった出産の体験談。

出産のトラブル、失敗した体験談

頸管を柔らかくする薬を注射された日に陣痛が…陣痛促進剤も投与され安産だったが納得がいかなかった出産の体験談。

結婚し、専業主婦になって、しばらくは二人での生活を楽しみたいと思っていた矢先に第一子を妊娠・出産しました。そのとき私は25歳、もう少し新婚時代を楽しみたいと思っていたので、ちょっぴり戸惑いました。それまで、いやなことや、仕事で緊張するようなことがあると、すぐに胃が痛くなるなど、ちょっと精神的にはストレスに弱いところがあるものの、あとは健康そのもので、妊娠期間中も、健康には自信があったので、妊婦健診は、交通費だけでもお金がかかるし、つわりが妊娠後期もあって、乗り物に乗ること自体が苦痛だし、時間がかかるから、結構1回飛ばしにするなど、さぼっていました。

もともと出産は動物として自然のこと。もちろん、妊産婦死亡や新生児死亡を考えると、自然のことだから、だけではすまないことは承知していましたので、自分なりに自己管理はしていましたが。妊娠後期になって、助産師さんから、不真面目な受診態度をやんわりとご指導いただくこともありましたけど、多少脚はむくみがでたものの、ほぼ予定日近くまで順調に経過することができました。

もともと実家は同じ市内にあり、出産後はとりあえず実家に帰る予定ではいましたので、もともとかかりつけだった総合病院から変わることなく、また、こう産みたい!という強い希望もなかったので、普通に病院で、安全に自然分娩ができればいいかな、といった程度でしか考えていませんでした。

予定日を1週間後に控えたころ、医師から、まだ頸管が固いから、少し柔らかくする薬を使いましょう、といわれ、なにやら注射をされました。もちろん、いやだ、ということを言えばよかったのかもしれませんが、あえて拒否をする理由もなく、注射をしてもらいました。ただ、その日はそんなつもりはなかったので、受診後妹と買い物に行く予定で、待ち合わせをしていましたので、一抹の不安はありましたが。

妹と楽しく買い物をして、15時過ぎにいざ帰宅、と思ったら、なにやら、お腹が痛いような・・・。冷えたからかな、と思いつつ、タクシーで帰宅しました。そうしたところ、お腹の痛みの間隔はだんだん短くなり、やっぱりこれって陣痛?と思い、17時頃病院に電話したら、とりあえず、来てください、と言われ、夫に連絡、帰宅してもらい、自家用車で病院に行きました。18時過ぎに、病院に着くころにはだんだん痛みが強くなり、言葉少なになっていました。

助産師さんが分娩監視装置をとりつけ、観察を続けられていましたが、陣痛の持続時間が短い、とやらで、促進剤の点滴を始められました。そうしたら、お腹の痛みがどんどん強くなり、腰が砕けてしまうのではないか、と思うような感じになりました。いちおう、母親クラスには通い、呼吸法も学習しましたが、そういったことをする余裕もなく、じっとしていることなんてできない、そんな感じでした。そんなとき、助産師さんに言われた言葉は「分娩監視装置のデータがうまくとれないから、もう少しじっとしていること、できませんか」という言葉でした。ブチっと心の中で切れましたが、文句をいう気力もない状態で、頭の中に少しだけ残っていた理性で、かろうじて、この痛みの原因となっている点滴を引っこ抜きたい衝動をおさえていました。

その後、お産は一気に進み、21時半くらいに無事に出産しました。そこで助産師さんから言われたことは「分娩開始時間から考えて、初産だけど、安産でしたね」という言葉です。たしかに、助産師さんの経験からすると、また、一般的な判断基準からすると、そうなのかもしれません。ですが、私にとっては初めての体験であり、こんなに早くに産まれた結果から考えると、促進剤の点滴がほんとに必要だったのか、という思いもあるわけです。この言葉にも、再度ブチっと切れそうになりましたが、これから入院している間、お世話になるんだから、とぐっと我慢しました。その後、産後、順調に回復し、晴れて退院することができました。

この経験を通して思うことは、医療従事者には言ってよい言葉とそうではない言葉があることを自覚してもらうように、面と向かって言えなくても、やんわりいやだな、と思ったことをお伝えしておくことが必要なのではないか、ということや、いやだなと思う医療処置であれば、安全との駆け引きもありますけど、その必要性、しなかった場合のリスクなど、きちんと説明を受けて、選択していくことが必要なのではないかな、ということです。